遺産分割調停とは?|遺産分割調停までの流れと申立方法。調停がまとまらない場合の対応【弁護士監修】

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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2020年11月20日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
遺産分割調停とは
遺産分割調停とは?|遺産分割調停までの流れと申立方法。調停がまとまらない場合の対応【弁護士監修】

遺産分割調停とは、遺産を残す人(被相続人)が遺言を残さずに亡くなり、遺産を受け取る人(相続人)の協議によって相続内容が決まらなかった場合に発生する手続きのことをいいます。

遺産分割調停をおこなう場合、相続争いに発展する可能性があることから、進行にあたっては十分に注意しなければなりません。遺産分割調停によってトラブルが発生することを未然に防ぐために、遺産分割調停の流れや注意点をよく理解しておく必要があります。

今回の記事では、遺産分割調停の概要や遺産分割調停の申立て方法、遺産分割調停に関する注意点やよくある疑問などについて紹介していきましょう。

遺産分割調停までの流れ

遺産分割調停 遺産分割調停は、遺産分割協議で相続内容がまとまらなかった場合におこなわれる手続きのことで、家庭裁判所で実施されます。

被相続人が遺言書を残している場合、通常、遺産相続は被相続人の作成した遺言書に従っておこなわれます。しかし、遺言書がなく、相続人が複数いる場合には、相続人同士で話し合って遺産分割をおこないます。

相続人全員で誰がどれだけの遺産を相続するかを話し合いによって決めることを、遺産分割協議といいます。すべての相続人によって合意を得られた場合、遺産分割協議の結果を書面にまとめたものが遺産分割協議書です。

一方、遺産分割協議によってすべての相続人の合意が得られなかった場合は、遺産分割調停に移行します。

遺産分割のフロー

遺産分割をおこなう場合、大きくは以下の4つのフローで進んでいきます。

遺言書の有無と、相続財産の把握

遺産相続において最も重視されるのは被相続人の意思です。故人の残した遺言書は、被相続人の相続に関する意思を最も反映させているものとして重要視されているため、まずは遺言書の有無を確認しましょう。

遺言書がある場合、基本的には遺言書に財産の目録が添付されており、誰がどれだけの遺産を相続するか、どれだけの財産があるかが確認しやすくなります。

しかし、遺言書がない場合、まずは被相続人がどれだけの財産を所有しているのかを把握する必要があります。

不動産や金融資産だけでなく、負債や借金などを抱えている可能性もあるため、被相続人の財産についてしっかり調査しましょう。

法定相続人による遺産分割協議

被相続人の財産を把握したならば、法定相続人による遺産分割協議をおこないます。

遺産分割協議では、法定相続人が集まり、誰がどれだけの遺産を相続するかを話し合いによって決定します。ここで財産の相続内容に法定相続人全員が合意すれば、遺産分割協議は成立します。

遺産分割協議書の作成

すべての法定相続人が遺産分割協議の内容に合意した場合、遺産分割協議書を作成して相続を進めます。

遺産分割協議書は、不動産や銀行口座、金融商品の名義変更などに必要であるため、遺産分割協議が成立したタイミングで作成しておくと良いでしょう。

遺産分割協議が不成立の場合は、遺産分割調停

遺産分割協議をおこなったときに、相続人の誰かが相続の内容に不満がある状態になると、遺産分割協議は成立しません。遺産分割協議によって遺産分割についてすべての相続人が合意できなかった場合には、家庭裁判所に申立てをし、遺産分割調停をおこないます。

遺産分割調停の概要と調停調書について

遺産分割調停

裁判所でおこなう話し合い、遺産分割調停

遺産分割調停とは、家庭裁判所にて裁判官と調停委員が各相続人の間に立ち、全員が納得できる分割配分になるように調整することです。

調停では実際に相続人同士が顔を合わせる機会は少なく、基本的には個別に調停委員との話し合いをおこないます。遺産分割協議のように相続人同士で話し合うわけではありません。

遺産分割調停が発生する理由

本来は、当事者である相続人同士の協議によって遺産の分割内容を決定するのが望ましいとされています。

しかし、感情的な対立がある場合や特定の相続人が被相続人の世話をしていた場合などは要求の水準が違うため、遺産分割協議ができない可能性があるのです。

遺産分割協議が成立しないと相続の手続きが止まってしまうため、裁判所が間に入り、それぞれの言い分を聞いたうえでそれらの事情を考慮して各相続人が納得できる分割内容を調整します。

相続人同士が顔を合わせると感情的になってしまう可能性がありますが、裁判官や調停委員が相続人の間に立ってそれぞれの主張を伝え、それに対する反論を受けるため、感情面での対立がないやり取りが可能です。

遺産分割調停が成立するとどうなるか?

遺産分割調停によってすべての相続人が相続の配分に合意した場合に調停が成立します。

成立した調停の内容は、裁判官によって下された審判と同一の効力を有するものです。調停成立の日には相続人全員が一堂に会し、裁判官が調停事項を読みあげ、すべての相続人に異存がないことを確認したうえで調停を成立させます。

このとき、相続人全員が出席するのが原則ですが、代理人弁護士による出席も可能です。

どうしても出席したくない場合には弁護士に出席を依頼しましょう。

遺産分割における調停調書とは

調停調書とは、調停によって決定した相続内容を書き記した文書です。

調書を作成するのは裁判所ですが、調停条項の案文を裁判所が作る場合もあれば、当事者で作成を求められる場合もあります。

申立人が弁護士を立てている場合には、その弁護士が文案を作成し、裁判所と相手方の同意を経て調停条項を決定するのが一般的です。

POINT

調停条項には、調停成立後はお互いに権利義務を主張しないという「清算条項」を入れる場合が多く、これに同意すると今後は遺産分割に関する申立てができなくなります。

調停調書が交付されると不動産や銀行口座の名義変更が可能となり、相続実務を進めることができるのです。

遺産分割調停の流れ

家庭裁判所

遺産分割調停をおこなう場合、どんな流れで調停が進んでいくかを把握しておく必要があります。ここでは、遺産分割調停の流れや調停成立までの期間などについて解説していきましょう。

裁判所に遺産分割調停の申立てをおこなう

遺産分割協議によって相続内容が合意に至らなかった場合、まずは申立ての相手方となる相続人の居住地を管轄する家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをします。相手方が複数である場合は、任意の者を選んで申し立てることができ、また、すべての相続人の合意によって特定の裁判所に申し立てることも可能です。

遺産分割調停では、ほかの家事事件のように「調停前置主義(裁判前に調停によって紛争の解決を図る方針)」を採用していないため、最初から「遺産分割審判」の申立てをおこなうことができます。

しかし、裁判所の職責において、まずは遺産分割調停から始めることをすすめられる場合が大半です。遺産分割審判を希望する場合でも、まずは遺産分割調停の申立てから始めていきましょう。

調停期日に裁判所に出頭して調停をおこなう

遺産分割調停は、裁判所から定められた期日に全員が出頭しておこないます。しかし、全員が出頭しても顔をあわせるのは最初と最後のみである場合が大半です。調停では相続人は個別に用意された控え室で待機し、調停委員からの呼び出しを受けたら調停室で希望する相続の割合や内容を主張します。

調停は裁判と違って非公開でおこなわれ、裁判官と弁護士など法務経験のある市民から選ばれた二人以上の調停委員で構成される調停委員会の立ち会いによって進行するものです。調停委員はすべての相続人と交互に話し合い、助言をしながら調停の成立を目指します。

調停委員に希望する相続条件を伝える

調停の場では、自分が希望する相続割合やその理由を主張します。調停はあくまで話し合いの場なので、法的根拠を示す必要はありません。調停委員はほかの相続人の主張も聞いているため、その主張についてどう考えるかを質問し、お互いの主張の中で折り合いをつけられるかどうかを確認していきます。このように、調停委員は対立しているポイントをひとつずつ解消していき、全体の問題を解決していくのです。

調停成立を目指して何度か話し合う

遺産分割調停は、それぞれの主張を調停委員が聞くことに主眼を置いているため、一度の調停で成立することはほとんどありません。調停は1ヵ月〜2ヵ月に一度というペースで開かれるため、相続人が多いと主張を聞いて論点を整理するだけで数ヵ月の時間を要します。調停は成立するか、成立しないことが明らかになるまで続けられるため、調停成立までには年単位の時間がかかる可能性があることを理解しておきましょう。

遺産分割調停の申立て方法

遺産分割調停

遺産分割調停をおこなう場合、最初は遺産分割調停の申立てから始まります。ここでは、遺産分割調停の申立て方法について解説していきましょう。

遺産分割調停の申立書を記入する

まずは「遺産分割調停の申立書」を入手して必要事項を記入します。申立書は最寄りの裁判所で入手可能ですが、裁判所のホームページにある申立書をダウンロードし、出力して記入することも可能です。

申立書には申立ての趣旨や理由、動機を記入し、あわせて遺産の種類と内容も別添資料として作成します。

裁判所に遺産分割調停の申立書を提出して手数料を支払う

必要事項を記入した遺産分割調停の申立書は、調停の相手方の居住地を所管する裁判所に提出します。申立書は直接提出することも可能ですが、裁判所が遠方の場合には郵送による提出も可能です。このとき、後述する必要資料を添付しますが、書類に不備があると裁判所から追加提出や訂正を求められますので注意してください。

申立書の提出時には手数料を支払います。この手数料は被相続人1人につき1,200円の収入印紙を購入して申立書に添付し、相続人の人数に応じた連絡用の郵便切手を購入して同封します。

遺産分割申立に必要な資料は?

遺産分割調停の申立時に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 遺産分割調停の申立書を1通
  • 申立書の写しを相続人の人数分
  • 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 死亡による代襲相続が発生している場合、死亡した被代襲者の出生児から死亡時までのすべての戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票または戸籍の附票
  • 遺産に関する資料(固定資産税評価証明書・不動産登記事項証明書・預貯金通帳の写し・残高証明書・賃貸借契約書・相続税申告書など)

これ以外にも、相続人に父母等の直系尊属が含まれる場合や相続人に兄弟姉妹がいる場合には、組み合わせによって戸籍謄本の提出が必要となる場合があるので覚えておきましょう。

提出書類の不備がなく、申立てが受理されると後日裁判所から調停をおこなう期日が指定され、遺産分割調停がスタートします。

遺産分割調停が不調の場合は?

遺産分割調停でも相続の配分方法がまとまらず、調停が成立しないことを不調といいます。ここでは、不調になった場合の対処について解説していきましょう。

調停を取り下げる

遺産分割協議を重ねても意見がまとまらなかったり、一部の相続人が協議に参加しなくなったりすることもあります。このような場合は調停が成立しない可能性が高くなるため、調停を取り下げるのも選択肢のひとつです。

調停の取り下げ

 

申立人は、調停が成立するか、または不成立となるまでの間であれば、いつでも調停を取り下げられます。取り下げには特段の理由も不要で、相手方の同意も不要です。「取下書」を裁判所に提出すれば手続きは完了します。

遺産分割調停から審判に移行する

遺産分割調停が成立しない場合、調停委員会の判断によって自動的に審判に移行し、裁判官が遺産分割を決定します。調停から審判に移行する場合、改めて手続きをおこなう必要はありません。

審判に移行すると、裁判官が相続人の主張やこれまでの調停の内容などを考慮して審判をおこないます。

遺産分割調停の注意点

相続法改正

続いて、遺産分割調停を進めるうえで、どんな点に注意すべきか確認しておきましょう。

要求する遺産の内容を明らかにする

遺産分割調停をおこなう場合、自分がどんな遺産を相続したいのか、どこまでは妥協できて、どこに妥協できないのかをはっきりと主張する必要があります。

調停では、自分もほかの相続人も最大限の主張をおこない、その中からそれぞれが妥協できる点を見つけていくことになります。

場合によっては遺産目録の項目ごとに相続したい優先順位を確認される場合があるため、目録に順位づけをおこなってから調停に臨むことをおすすめします。

「寄与分」と「特別受益」を主張する場合は事前準備を

「寄与分」とは、被相続人の財産形成に貢献した人にほかの相続人よりも多くの遺産配分を認める権利です。近年では親の介護をする人が多くなったため、介護に従事した相続人が寄与分を主張するケースも増えているようです。

寄与分を主張する場合には、主張する人が「寄与分を定める処分調停」を遺産分割調停をおこなっている裁判所に改めて申し立てる必要があります。

申立てが認められると係争中の遺産分割調停と一括案件として扱われ、寄与分を認められるかを含めて調停が進んでいくのです。寄与分を主張する場合には、介護に従事していた客観的な事実を立証する必要が出てくるため、生計を同一にしていた証明や通院・介護に従事した事実などを証明する資料を用意しておくと良いでしょう。

一方、「特別受益」とは、相続人が被相続人から生前に学費や生活費などの資金援助を受けていた場合に適用されます。

特別受益を受けた者が相続人の中にいる場合、同じ割合で遺産を分割すると、ほかの相続人にとっては不公平な相続となる可能性があります。そのため、特別受益を受けた人がいる場合は、その受益分を差し引いて相続割合が決定する場合があるため、相手方の相続割合を減らしてより多くの相続を得たい場合に主張される概念です。

特別受益については、民法903条で特別受益がある場合の相続分の計算が規定されているため、この計算内容に従って相続分を割り引いた割合を主張することになります。この場合、贈与の事実があったかどうかを立証する必要があるため、特別受益を主張する場合にも事前準備が必要です。

(特別受益者の相続分) 第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。 2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。 3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。 4 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。

e-gov法令検索(民法)

遺産分割調停は欠席しないようにする

遺産分割調停はひと月に1回くらいのペースで開かれ、解決まで長期間にわたっておこなわれるケースも多いようです。

調停は平日の昼間にしか開かれないため、仕事の都合などで参加できない場合には欠席することも可能です。また、ほかの相続人と会いたくないという理由で調停を欠席するケースも見受けられます。

出欠や面会調停時の態度などは基本的には調停内容とは関係ありませんが、調停委員や裁判官の心証を無視することもできません。欠席が続くと十分な主張ができなかったり、納得できない解決策を提示される可能性があります。

遺産分割調停には欠席しないように注意すべきですが、弁護士を立てている場合には弁護士を代理人として出席させられるため、遺産分割調停に一度も出席せずに調停を進めることも可能です。

相続人とコミュニケーションを取っておく

遺産相続においてトラブルを防ぐためには、被相続人と相続人だけでなく、相続人同士も十分にコミニケーションを取っておくことが大切です。

遺産分割調停に進んだとしても、相続人同士で話し合い、合意できれば遺産分割調停をすぐに成立させることもできます。

調停では相手の主張とその理由のみが調停委員から伝えられるため、主張の意図や真意を把握するのは難しいものです。

連絡がつく相続人とはコミュニケーションをとっておき、可能であればお互いに妥協点を見出して協力体制を築くなど調停を有利に進めていくことをおすすめします。

遺産分割調停のよくある疑問

最後に、遺産分割調停についてよくある疑問とその答えをまとめます。

Q.遺産分割調停の相手方は、協議内容に同意しない人物だけで良い?

遺産分割調停には相続人全員が参加する必要があるため、協議内容に同意している人物も相手方として申し立てる必要があります。もし、一人だけが反対している場合には、協議内容に同意している相続人全員を申立人とし、反対している一人を相手方として申立てをおこなうことも可能です。

Q. 連絡が取れない相続人がいる場合、裁判所で連絡先を調べることは可能?

裁判所が相続人の連絡先を調べることはありません。遺産分割調停はすべての相続人が参加することが条件です。相続人不在の状態で調停は進められません。この場合、自分で相続人を探すか弁護士に依頼する必要があります。

相続人が行方不明の場合は「不在者財産管理人」の選任手続をおこないましょう。「不在者財産管理人」の選任手続は、家庭裁判所で申し立てる必要があるため、まずは家庭裁判所に問い合わせてみてください。

Q. 遺産の一部を隠している疑いがある相続人がいます。裁判所で調査することは可能?

裁判所では申立てた時点での遺産を分割する調停をおこなうため、隠し持った疑いがある遺産を探し出すことはありません。疑いがある相続人には遺産の範囲や内容について意見を聞き、必要な資料の提出を促すことはありますが、明らかではない遺産の調査はしないのです。 原則として、ほかにも遺産があると考える場合には、申立人が裏付けとなる資料を提出することが求められます。

Q. 遺産分割調停を有利に進める方法はある?

遺産分割調停を有利に進めるためには、裁判官や調停委員の心証を良くすることが大切です。あくまでも調停は事実関係の確認や、解決策の模索に主眼が置かれていますが、心証の良し悪しも解決策の内容を左右する可能性があります。

心証を良くするためには、「解決策を申立人から提案する」「紛争解決の意欲を示す」といった積極的な姿勢でいると良いでしょう。申立人が複数の場合はその取りまとめをおこなうなど、主体的に行動すると裁判官や調停委員の心証を良くすることにつながります。

まとめ

遺産分割調停は、遺産分割協議が成立しなかった場合に裁判官や調停委員とともに相続人が納得できる相続内容の成立を目指す手続きです。

今回は

  • 遺産分割の進行フロー
  • 遺言書の有無と、相続財産の把握や法定相続人による遺産分割協議
  • 遺産分割調停の流れや遺産分割調停の申立て方法
  • 遺産分割調停が不調の場合と遺産分割調停の注意点

について紹介していきました。遺産分割協議に比べて長期間にわたる手続きのため、成立までに年単位の時間がかかることを覚悟して取り組む必要があります。

遺産分割調停にあたっては、自分が主張したい相続の内容を整理しておき、妥協できる点や、妥協できない点がどこかを調停委員に伝えましょう。調停委員はすべての相続人の主張を聞き、それぞれが妥協できる点を見出して納得できるよう解決を目指します。

遺産分割調停まで進むと、相続人同士の人間関係が悪化している可能性もありますが、可能であれば相続人同士でもコミニュケーションを取っておき、少しでも早い調停成立を目指しましょう。

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