弁護士法人グラディアトル法律事務所 新潟オフィス

事例

• • 遺産分割

  同居親族による財産隠しと不当な相続放棄要求を排除した遺産分割事例

  相談内容

  依頼者様のお父様が亡くなられた後、同居していたお母様と弟様から「遺産はほとんどない」として相続放棄を迫られたり、不透明な財産目録を提示されたりしたというご相談です。
  
  依頼者様は、生前のお父様の羽振りの良さや資産状況から、提示された財産内容に強い違和感を抱いておられました。
  
  また、お母様が預貯金を使い込んでいる疑いや、不動産の評価が不当に低く見積もられていることに不満をお持ちでした。
  
  当事者間での話し合いは感情的な対立により不可能であったため、適正な遺産分割と、隠された財産の解明を求めて当事務所にご依頼されました。

  解決

  ご依頼後、弁護士は直ちに金融機関や保険会社への照会（弁護士会照会等）を行い、開示されていなかった生命保険金や株式、使途不明金の調査を行いました。
  
  遺産分割調停においては、相手方が不動産評価額を低く主張したのに対し、収益物件としての適正な評価を主張し、対立が続いたため手続は難航しました。
  
  弁護士が高等裁判所での即時抗告審においても、依頼者様の正当な権利を粘り強く主張することにより、法定相続分を確保する決定を勝ち取りました。
  
  さらに、遺産分割審判の対象とならない「相続開始後の不動産収入」や「株式配当金」についても、相手方が独占していたため、別途、管理会社への支払差止や不当利得返還請求を行い、回収を進めました。

  ポイント

  本件のポイントは、単に「遺産分割」だけで終わらせず、徹底的な財産調査を行い、正確な財産を明らかにできたという点です。
  
  個人では煩雑である照会手続きを弁護士が代理して調査することにより、相手方が隠していた保険金や預貯金の動きを明らかにし、遺産総額の正確な把握に成功しました。
  
  また、遺産分割の手続きでは扱われない「死後に発生した賃料や配当金」について、審判とは別に交渉・請求を行ったことも重要です。
  
  これにより、単に遺産を分けるだけでなく、依頼者様が本来受け取るべき金銭を漏れなく回収し、経済的利益を最大化する形での解決を実現しました。