相続放棄と代襲相続の関係|法定相続順位と代襲相続、必要書類、全員が相続放棄をした場合の財産管理【司法書士監修】

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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2020年12月29日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
相続放棄と代襲相続の関係
相続放棄と代襲相続の関係|法定相続順位と代襲相続、必要書類、全員が相続放棄をした場合の財産管理【司法書士監修】

相続には、本来の相続人がすでに亡くなっているときに、その子が相続人に代わって相続をする代襲相続という制度があります。

この制度によって、相続人の子や孫の権利が守られるという利点がある反面、相続放棄がおこなわれるような相続では、思わぬ人が相続人になってしまうという問題があります。

この記事では、代襲相続の基本的な考え方、どのようなときに代襲相続が発生し、どのようなときには発生しないのか、また、相続放棄と代襲相続の関係などについてご説明します。

この記事の監修者

司法書士・行政書士 谷村事務所

谷村和夫

〈司法書士・行政書士〉

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相続放棄とは

相続放棄は、被相続人(亡くなった人)の財産を相続したくない場合に利用できる制度です。

財産を相続したくない理由としては次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 借金などマイナスの財産の方が多い
  • 財産を被相続人の配偶者にすべて相続させたい
  • 相続に関連した手続きに時間を使いたくない
  • 相続することでほかの相続人ともめたくない

相続放棄の手続きでは、相続放棄したい理由で却下されることはほとんどありませんので、どのような理由で相続放棄をすることも可能です。被相続人に借金など負債や債務がある場合は相続放棄を検討することをおすすめします。

相続放棄をすると、被相続人の「立場」も引き継がなくてよくなります。

被相続人の立場とは

  • 借金の保証人
  • 損害賠償請求など裁判の被告

主にこの2つです。

借金の保証人については、現在順調に返済がおこなわれていたとしても、将来的にどうなるかわからないため、金額によっては、相続放棄を検討したほうが無難です。

損害賠償の請求も被相続人に損害賠償の支払い義務があったということになると、相続人に支払い義務が発生します。そのため、請求の内容によっては、相続放棄の検討が必要です。

相続放棄のメリットとデメリット

相続放棄のメリット

相続放棄をすると次のようなメリットがあります。

  • 被相続人の借金を返済しなくていい
  • 被相続人の税金を代わりに納税しなくていい
  • 借金の保証人の立場を引き継がなくていい
  • 損害賠償請求などの被告の立場を引き継がなくていい

相続放棄をすることによって、プラスの財産も相続できなくなりますが、被相続人の借金返済のために、子や孫の生活が脅かされたり、固有の財産を失ったりすることを避けられます。

相続放棄のデメリット

相続放棄には、メリットばかりではなく、デメリットもあります。

相続放棄は、一度認められると撤回できないため、後から多額の預金などが見つかっても、相続することはできません。そのようなことがないよう、相続放棄を選択するときには、財産の精査が必要です。

また、財産のすべてを相続しないということは、配偶者や子が住んでいる土地・家屋が被相続人名義の場合、住むところを失います。

被相続人名義の土地で家族全員が農業をしているようなときには、職も失うことになるでしょう。このようなケースでは、限定承認を検討します。

単純相続・限定承認とは

相続には、相続放棄のほかに、「単純相続」と「限定承認」があります。単純相続は、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続することです。限定承認では、相続したプラスの財産の範囲でマイナスの財産も相続します。

これによって、相続人は、住むところや職を失わず、借金も減らすことが可能です。ただし、相続放棄に比べて手続きが煩雑であったり、相続人全員の同意が必要であったりという問題もあります。

代襲相続とは

「代襲相続」とは、本来の相続人が相続の発生した時点ですでに亡くなっているときに、その子が相続することをいいます。

ここで相続の順位について確認しましょう。被相続人が亡くなったときに配偶者がいた場合には、配偶者は常に相続人となります。それ以降は次のような順序で相続人になる順番が決まっています。これを「順位」といいます。

  • 第1位:被相続人の子
  • 第2位:被相続人の父母
  • 第3位:被相続人の兄弟姉妹

被相続人に子どもがいれば、配偶者と子どもが相続人です。

もし、同じ立場の人が複数人いたときには、全員が同じ順位になります。つまり、被相続人に子が3人いるときには、3人全員が相続順位第1位ということです。

いい相続 法定相続人

第1位 被相続人の子の代襲相続者(直系卑属)

代襲相続

被相続人の子がすでに亡くなっている場合には、その子(被相続人の孫)が代襲相続をします。

さらに被相続人の孫もなくなっているときには、その子(被相続人のひ孫)が相続することが可能です。ひ孫が相続することを「再代襲相続」といいます。

子が養子の場合には、養子縁組をした後に生まれた子には、実子の子と同様に再代襲相続の権利がありますが、養子縁組する前に生まれた子にはありません。

代襲相続で代襲相続者が相続する財産は、本来の相続人の法定相続分です。

例えば被相続人に2人の子がいるとき、配偶者が2分の1、2人の子で4分の1ずつの法定相続分があります。ですから、子のひとりが亡くなっていて、その子(被相続人の孫)がさらに2人いるときには、それぞれの相続分は8分の1ずつです。

なお、被相続人の子や孫のことを「直系卑属」といいます。

第2位 被相続人兄弟姉妹の代襲相続者

代襲相続人 第3位

被相続人の子や直系尊属がすべて亡くなっていたり、相続放棄をしていた場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。すでに兄弟姉妹が亡くなっているときにはその子(被相続人の甥・姪)が代襲相続者です。

被相続人の子と違い、その子(兄弟姉妹の孫)には再代襲相続は発生しません

被相続人の甥・姪が相続するような状況では、相続人の人数が多くなっていると考えられるでしょう。相続においては、法定相続人の人数を基に決まるものがあります。

  • 相続税の基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 死亡保険金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数
  • 死亡退職金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数

相続人の人数が増えることで、控除額や非課税限度額が増える反面、相続人全員の同意が必要な手続きなどでは、意見のとりまとめや連絡が大変になるので、注意が必要です。

相続人が生きていても代襲相続が発生する場合

相続時効_相続放棄と代襲相続

相続人が亡くなったときに代襲相続が発生するといいましたが、相続人が生きていても代襲相続が発生することがあります。
それが

  • 相続欠格
  • 相続人廃除

の2つのケースです。

相続欠格と代襲相続、相続権は子に移る

「相続欠格」とは、「相続欠格事由」に該当した相続人が、相続権を失うというものです。

相続欠格事由が具体的にどのようなものかというと、

  • 被相続人を殺害して、刑に処せられた
  • 先順位の相続人を殺害して、刑に処せられた
  • 遺言を脅迫や詐欺で変更・撤回させた
  • 遺言書を偽造・変造・破棄・隠した

上記のような行為をいいます。

相続欠格では、相続欠格事由に該当すれば、請求がなくとも相続権がはく奪されます。しかし、相続権がはく奪されても、相続権をはく奪された相続人の子には代襲相続の権利があります。

相続人廃除と代襲相続、相続権は子に移る

「相続人廃除」とは、被相続人が相続人から虐待を受けていたというようなときに、家庭裁判所に申し立てることで相続権をはく奪することです。

相続人廃除の場合も、相続人廃除の子に代襲相続が発生します。

方法は次の2つがあります。

  • 被相続人自身が生存中に自ら家庭裁判所に請求する
  • 遺言に記す

遺言に記されていた場合には、遺言の効力が発生したときに、遺言執行人が家庭裁判所に請求することで相続権のはく奪が可能です。廃除される相続人以外の相続人が手続きすることはできませんので、遺言執行人がいないときには、遺言執行者を選任します。

相続人廃除は取り消すことも可能です。廃除をしたときと同様に、被相続人自身が家庭裁判所に請求するか、遺言に記されていた場合には、遺言執行人が家庭裁判所に請求します。

相続放棄と代襲相続の関係、相続権は子に移らない

代襲相続人 相続放棄

まず、「相続放棄」によって何が起きるのかを再確認しましょう。

相続放棄は、ただ財産を相続しないのではなく、「はじめから相続人ではなかった」と認められることです。つまり、財産の相続以外にも相続人に与えられる権利もなくなります。

ですから、相続人である子が相続放棄をすると、子は、もともと相続人ではなかったことになるわけですから、相続人の子(被相続人の孫)の権利である代襲相続も発生しないのです。これにより、被相続人に多額の借金があるような場合には、相続人が相続放棄をすれば、その相続人の子や孫に影響が及ぶことはありません。

代襲相続で相続放棄する場合の必要書類

戸籍

相続放棄をするときには、「相続放棄申述書」という手続きのための書類のほかに、戸籍関係の書類の添付が必要です。この戸籍関係の必要書類は、被相続人との関係で異なりますが、代襲相続の場合にはさらに追加で必要な書類があります。

すべての相続人に共通して必要な戸籍関係の書類は以下の2つです。

  • 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
  • 申述人の戸籍謄本

相続放棄に必要な戸籍関係の書類は、先順位の人などがすでに提出しているときは、重複して提出する必要はありません。

被相続人の子の代襲相続の場合に必要な書類

相続が発生したときに被相続人の子がすでに亡くなっている場合は、その子(被相続人の孫)が代襲相続者になるので、被相続人の財産を相続したくないときは、相続放棄の手続きをしなければなりません。

被相続人の子と代襲相続者が共通で必要な戸籍関係の書類は、

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

です。

子の代襲相続者が相続放棄をするときは、上記に加えて、

  • 本来の相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

が必要になります。

被相続人兄弟姉妹の代襲相続の場合に必要な書類

被相続人の配偶者・子・父母のすべてが相続放棄をし、さらに被相続人の兄弟姉妹が亡くなっている場合は、被相続人の甥・姪が相続人になります。甥・姪も被相続人の財産を相続したくないときには、相続放棄の手続きをしなければなりません。

被相続人の兄弟姉妹と代襲相続者が共通で必要な戸籍関係の書類は、

  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
  • 直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本
  • 被相続人の配偶者・子・父母のすべてが相続放棄をした書類

の3つです。

これに加えて、代襲相続者が相続放棄をするときには、

  • 被相続人の兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍謄本

が必要になります。

被相続人が多額の借金をしていたり、保証人になっていたりするときには、相続順位の高い人が全員相続放棄することが考えられ、通常の相続では関係のないような人が相続人となるのです。

相続放棄の手続きの仕方

本来の相続人であっても、代襲相続者であっても、相続放棄の手続きの仕方は変わりません。手続き自体は比較的簡単なので、ご自身でおこなうことが可能です。

まず、被相続人の財産を確認します。先順位の方が相続放棄をしているときには、その方に確認するのがいいでしょう。被相続人と疎遠で詳しい財産の状況がわからなくても相続放棄自体は可能です。

相続放棄の申し立てには、「相続放棄申述書」を記入して提出します。相続放棄申述書は、最寄りの家庭裁判所、またはインターネットによるダウンロードで入手が可能です。各項目は、用紙で指定されている通りに記入すれば埋められます。

相続放棄の手数料は、800円です。収入印紙を購入し、相続放棄申述書の所定の位置に貼りつけます。また、家庭裁判所からの連絡用に郵便切手も必要です。

金額は、管轄の家庭裁判所によって異なりますので、各家庭裁判所のホームページなどで確認してください。

家庭裁判所に必要書類一式を提出すると、照会書が送られてきます。これは、質問事項や相続放棄が本人の意思でおこなわれたものかを確認するものです。必要事項に回答し、指定の期日までに返送します。

照会書を返送すると、1週間程度で「相続放棄申述受理通知書」が届きます。相続放棄申述受理通知書を受け取れば、相続放棄の手続きは完了です。

相続放棄申述書、書類の提出先

相続放棄の手続きをするための書類の提出先は、「被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所」です。相続人の住所地の最寄りの家庭裁判所や任意の家庭裁判所を選ぶことはできません。

窓口に出向いて手続きするのが一般的ですが、被相続人の最後の住所地が遠方で出向くのが難しいときには、郵送で手続きすることも可能です。ただし、家庭裁判所が必要と判断したときには、照会書の代わりに、面談のための呼び出しがあります。

相続放棄の期限、熟慮期間

相続放棄の手続きはいつでもできるわけではありません。相続が発生したときから3ヵ月以内です。この期間を「熟慮期間」といいます。

「相続が発生したとき」について、一律に被相続人が亡くなったときというわけではありません。

例えば、同居または、疎遠でない、配偶者や子の場合には「被相続人が亡くなったとき」に相続が発生します。しかし、先順位の人がいてその人の相続放棄によって相続人になった場合には、「先順位の人が相続放棄したことを知ったとき」からです。

また、両親の離婚などで疎遠になっている親が被相続人のときには、すぐにその死を知らされないこともあるでしょう。そのときには、「被相続人の死を知ったとき」からになります。

自分が相続放棄したら次順位以降の人に伝える

代襲相続の説明でも述べたように、相続放棄がおこなわれると、最終的に思わぬ人が相続人になることがあります。財産の分散を避けるために相続放棄をするようなケースを除けば、あなたが相続したくない財産は、次順位以降の人にとっても相続したくない財産であるのが一般的でしょう。

また、相続順位第1位の人に比べ、相続順位第2位以降の人が相続人になる場合には、戸籍関係の書類を集めるのに時間がかかります。

あなたが相続放棄をすることで、次順位以降の人にかかる迷惑が最小限になるように、相続放棄を検討しているときには、そのことを次順位以降の人に伝え、手続きが完了したときには、改めてそのことを連絡しましょう。

相続放棄をすることでマイナスの財産を相続しないことも大切ですが、相続放棄によって、人間関係を悪化させないようにするための配慮も忘れないようにしてください。

相続放棄後の財産の管理義務について

いい相続 相続放棄 手続き

相続放棄の手続きが完了しても相続人には、「次の相続人が財産の管理をはじめるまで」財産の管理義務があります。

注意しなければならないのは、プラスの財産の中に土地や建物があるときです。資産価値を維持するために空き家の管理をする必要があるだけでなく、壊れた外壁が第三者に怪我をさせたり、事故の原因になったりするようなことがあれば、賠償責任を負うことになります。

全員が相続放棄をした場合

相続順位第3位の人が相続放棄をすると、すべての人が相続放棄をしたことになります。そのときの財産や、財産管理の義務については、例えば被相続人の借金が理由で、全員が相続放棄をしたケースでは、債権者(被相続人にお金を貸した人)が「相続財産管理人」を裁判所に選任してもらうことができます。

相続財産管理人に選ばれるのは、基本的に弁護士です。債権者が相続財産管理人の選任を申し立てますが、裁判所は中立の人を選びます。

相続財産管理人の仕事は、

  • 被相続人の財産を確認する
  • 資産を清算し、債権者に配当をおこなう
  • 残った財産を国庫に帰属する手続きをする

主に上記の3つです。

債権者への配当では、被相続人が複数の相手にお金を借りていたときには、それらの人たちに、平等に返済します。

相続財産管理人がつかないとき

相続人全員が相続放棄をしても、相続財産管理人が選任されないケースもあります。

なぜなら、相続財産管理人の選任は、債権者などが費用を払って裁判所に申し立てる必要があるからです。

相続財産管理人の選任にかかる費用は、

  • 予納金
  • 申立て手数料
  • 申立て郵送費用
  • 官報公告費用

の4つです。

申立て手数料は、収入印紙800円ですが、予納金はケースによって30万~100万円ほどかかります。そのため、返済される金額が費用に見合わないケースでは、債権者は、相続財産管理人の選任を申し立てないと考えられるでしょう。

では、このようなとき、最後に相続放棄をした人には、いつまで財産管理の義務があるのでしょうか。

残念ながら、何もしなければ、永久に財産管理の義務があることになります。ただし、債権者と同様の手続きで相続財産管理人を選任し、財産を国庫に帰属させる手続きを依頼すれば、「次の財産管理人が管理をはじめた」となり、財産管理の義務を手放すことが可能です。

亡くなった父親の財産を放棄した場合の祖父の財産について

祖父よりも先に父が亡くなり、父の財産を相続放棄していたとします。

このような状況で祖父が亡くなった場合、子は、祖父の財産については相続することが可能です。

なぜなら、祖父が亡くなった時点で、父には祖父の財産を相続する権利があります。この「父が祖父の財産を相続する権利」と「相続放棄した父の財産」には関係がありません。そのため、父が祖父の財産を相続する権利を代襲相続することによって、祖父の財産を相続することができます。

相続放棄の手続きを専門家に依頼したほうがいいケースとは?

いい相続 相続放棄 手続き

代襲相続で相続人になった人の中には、被相続人と普段の付き合いがないという人もいるでしょう。また、子や配偶者の相続に放棄に比べて、必要な戸籍関係の書類が多いという問題もあります。そのため、次のようなケースでは、専門家への依頼を検討した方を早めに検討してください。

  • 時間がなく手続きや面談に対応できない
  • 戸籍関係の書類を集めるのが難しい
  • 被相続人と疎遠で近況や相続財産の内容が不明
  • 自分自身で相続に関わりたくない

書類の準備だけでなく、先順位の相続人やほかの相続人との連絡や相続放棄の手続きなど、すべてを依頼したいときには、弁護士に依頼します。このとき、費用の相場は10万~20万円です。

書類が揃っていれば自分で手続きが可能な場合や費用を抑えて専門家に相談したいときには、司法書士に依頼することもできます。司法書士であれば、費用の相場は、4~7万円です。

相続放棄するときの代襲相続に関してよくある疑問

相続放棄するときの代襲相続に関してよくある疑問とその答えをご紹介します。

Q.曽祖父がなくなりました。祖父も父もなくなっていますが、自分(ひ孫)が代襲相続するのですか?

被相続人の子・孫がすでになくなっているときには、ひ孫が相続人です。ひ孫が代襲相続をすることを再代襲相続といいます。

Q.祖父の弟がなくなり、先順位の人が相続放棄をしました。祖父も父もなくなっていますが、自分(相続人のひ孫)が代襲相続するのですか?

被相続人の兄弟姉妹の場合は、代襲相続が発生するのはその子、つまり被相続人の甥・姪だけです。再代襲相続は発生しません。

Q.祖父と父は折り合いが悪く、祖父の相続で廃除されていました。自分(孫)には、代襲相続する権利はないのですか?

親が相続の廃除または、欠格によって相続できない場合でも、その子(被相続人の孫)には、代襲相続の権利があります。また、祖父が亡くなったとき、親が生きていても代襲相続が可能です。

Q.父が祖父の財産を相続放棄しました。自分(孫)が代襲相続することはできないのですか?

親が相続放棄をした場合には、親ははじめから相続人ではなかったことになり、相続人としての権利もありません。代襲相続とは、親の代わりに相続人としての権利を引き継ぐことですから、権利のない親から代襲相続することはできないのです。

Q.亡くなった父が、弟(叔父)の相続人になっていることを今日、知りました。亡くなったのは、3年前なのですが、相続放棄できますか?

相続放棄の期限は、相続が発生したときから3ヵ月以内ですが、それを知らなかったときには、「相続人になったこと知ったときから3ヵ月以内」です。そのため、今回のケースでは、相続放棄が可能でしょう。手続きなどに不安があるときには、専門家に早めに相談することをおすすめします。

Q.5年前に父の財産を相続放棄しました。今日、祖父が亡くなりましたが、代襲相続はできませんか?

父親の財産を放棄することと、祖父の財産を相続する権利を代襲相続することには関係性がありません。そのため、父親の財産を相続放棄していても、祖父の財産を代襲相続することが可能です。

まとめ

代襲相続・再代襲相続の制度によって、相続すべき財産があるときには、相続人の子や孫の権利が守られることになります。

しかしながら、相続放棄が必要になるような相続では、先順位の人が相続放棄をすることで、被相続人の甥・姪が相続人として相続放棄の手続きをしなければならない状況になってしまうなど、いいことばかりではありません。

そのため、相続放棄をするときには、トラブルになったり、次順位以降の人に迷惑をかけたりしないよう、こまめに連絡するなど配慮をしましょう。

また、自分が相続人になってしまったときには、速やかに行動し、自分で手続きをするのが難しいと感じたら、専門家に相談することを検討してください。

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