土地と建物の名義が違う不動産を売って遺産分割したいときの相続手続きの方法

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本記事の内容は、原則、記事執筆日(2023年2月21日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
未登記建物を含む場合の遺産分割協議書
土地と建物の名義が違う不動産を売って遺産分割したいときの相続手続きの方法

「実家の土地と建物を売って相続人全員で代金を分けることにしたけれど、調べてみたら土地と建物で名義人が違ってた・・・!」
実は、土地と建物の名義が違うことは珍しいことではありません。
しかし、相続が発生し、気が休まらないところに、不動産の名義の問題が加わり不安になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、土地と建物の名義が違う不動産を売却して遺産分割する方法をわかりやすく解説します。是非参考にしてください

相続した不動産を売って相続人で分ける遺産分割方法

相続した不動産を売ってお金にして複数の相続人で分ける方法を「換価分割」といいます。

換価分割とは

換価分割とは不動産や株、貴金属など分割できない財産を売却し、すべてを現金化してから、分配する方法です。

現金で分けるため公平に分けられ、また、現金が手元に入るので相続税の納税に役立ちます。加えて、相続したあとに売却すれば節税効果も期待できるというメリットもあります。ただし、売却するための手間はかかります。

例えば、以下のような家族構成で相続財産は実家の土地と建物のみで遺産分割するとします。

  • 母はすでに他界
  • 父が亡くなった(被相続人)
  • 相続人は成人した子ども3人、遺産は均等に分割

土地は父(被相続人)名義、建物は母(すでに他界)名義であった場合、子ども3人で話し合い、現金化して分けよう(換価分割)としようとしたとき、どんな注意点があるでしょうか。

なお、相続した不動産の分け方について詳しく知りたい方は「相続した不動産の分け方は?名義変更手続きの相続登記は自分でできる?」を参照してください。

売る前に相続登記をして土地と建物の名義人を同一にする

先述の例で考えていきます。

亡くなった父が土地の名義人、亡くなった母が建物の名義人になっている状態では、相続人が不動産の所有者であると主張できませんのでそもそも売却ができません。

売却する前に相続登記をして名義人を同一人物にする必要があります

相続登記とは

相続登記とは、土地・建物を相続したとき相続人へ名義変更(所有権移転登記)する手続きです。

不動産の所有者は不動産登記簿に記録されていますが、これは所有者が亡くなったからといって自動で変更されることはありません。相続登記の手続きをしないと、亡くなった所有者のまま残り続けてしまいます。(先述の例では亡くなった母が相続登記をせずに残り続けている状態です。令和6年からは相続登記は義務化されますので相続における未登記は少なくなっていくでしょう。)

換価分割の相続登記の方法

不動産を売却した代金を遺産分割すると決め、かつ、相続人の分割割合も決めてある換価分割の場合での登記は2つの方法が考えられます。

  1. だれかが代表してその不動産の名義人になって売却する方法
  2. 全員が不動産の名義人になり売却する方法

それぞれの方法の注意点について説明していきます。

1.だれかが代表してその不動産の名義人になって売却する方法

相続人のうちのひとりが代表してその不動産の名義人となる相続登記をして売却をします。その代金を相続人で分けるという方法です。ただし、この方法は

「単独で相続登記した人が不動産を売却して利益を得た」

「単独で相続登記した人が他の相続人へお金を配分した」

この2つの行為に着目した注意点があります。

単独で相続登記した人が不動産を売却して利益を得たことの注意点

換価分割では、譲渡所得税がかかります。ですが、単独で売却したとしても、各相続人がその代金配分の割合で不動産を相続したわけですから、各相続人それぞれが譲渡所得の申告をします。

単独登記した名義人だけが譲渡所得税を納税しなくてはならないわけではないので各相続人も理解しておく必要があります。

単独で相続登記した人が、他の相続人へお金を配分したことの注意点

お金の流れだけで見ると、売却金額を単独登記した人が受取り、それを他の相続人にあげたので、贈与にあたるのでは?という心配もあるでしょう。

この点については、遺産分割協議書に、換価分割を行うことと換価した売却代金の分配割合を明記をすることで回避できますので、きちんと遺産分割協議書を作成しておきましょう。

2.全員が不動産の名義人になり売却する方法

相続人全員が相続する不動産の名義人になるので、ひとりが代表して相続登記した場合のような問題はおこらないでしょう。

しかし、登記のための必要書類も人数分多くなり、また、売却する際にも全員の意見をまとめたりと作業は煩雑になる心配があります。

土地と建物の相続登記をする

相続人のうち、だれが名義人になるのか決まったら、土地と建物の相続登記をします。

相続登記には費用がかかります。

  • 登録免許税
  • 添付資料代金
    • 戸籍謄本、除籍謄本、印鑑証明等

登録免許税は相続登記の場合、以下の計算式でもとめます。

登録免許税額 = 不動産の固定資産税評価額 × 0.4%

固定資産税評価額は土地と建物とそれぞれに評価額があります。

先述の例では、

「土地が父(被相続人)の名義、建物が母(既に他界」していて相続人の名義に変更するため、

土地と建物の固定資産評価額を合算して手数料率を乗じます。

なお、必要書類の戸籍謄本等ついても一通450~750円等の費用がかかります。

相続登記の登録免許税の免税措置

令和7年3月31日までに、土地の所有権を取得した個人を土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については免税措置が設けられています。

相続登記の登録免許税の税額が免除される免税措置には、次の2つがあります。

  1. 相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置
  2. 不動産の価額が100万円以下の土地に係る登録免許税の免税措置

この免税措置は土地のみに適用されます。建物の相続について免税措置はありません。

なお、登録免許税は現金ではなく「収入印紙」で納めます。

免税措置について詳しくは「相続登記の費用をくわしく!登録免許税や専門家報酬、免税措置について紹介」を参照してください。

登記が済んだら、実際に不動産を売却する手続きに入ります。

不動産の売却

不動産を売るには不動産会社に連絡し査定を依頼するのが一般的ですが、売る方法は「仲介」と「買取」の2種類あります。

メリットデメリット
仲介・相場価格(買取よりも高額)で売却しやすい・売却に時間がかかる可能性あり
・仲介手数料がかかる
買取・早期の売却(現金化)が可能
・仲介手数料がかからない※
・売却額は市場価格の70~80% (仲介よりも安い)
※直接買取ではなく、買取業者を仲介業者に探してもらう場合は仲介手数料がかかる場合があります

立地条件や築年数、修繕計画などによっては、仲介による売却が難しいケースもあります。売却にあたって何を重視(優先)するかによって、仲介か買取かを選択するとよいでしょう。

不動産会社と媒介契約を交わした後は、以下の流れですすんでいきます。

売却活動(価格の設定や内覧)→ 売買契約締結 → 決済・引き渡し・登記

不動産の売却にかかる費用

不動産の売却時には以下のような費用がかかります。

  • 仲介手数料
  • 印紙税、登記簿謄本取得費などの契約に関する費用
  • 家財の処理費用 など

不動産の売却にかかる税金

不動産を売却し、以下の計算式で譲渡所得がプラスになって利益が出た時は税金がかかります。

譲渡所得=不動産売却価格−不動産の購入時の価格−買ったとき、売ったときの費用

  • 所得税
  • 住民税

なお、利益が出た場合は基本的に譲渡所得税の確定申告が必要です。

売却する不動産によっては特例によって納税額が軽減できるケースがありますので是非活用しましょう。

まとめ

この記事では不動産を相続し、現金化して遺産分割して売却する場合の手順などについて説明してきました。

相続の手続きはすることが多いうえに複雑です。専門家に手続きを依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。

相続費用見積ガイドでは複数の専門家から無料で見積りを取り寄せることができます。是非ご活用ください。

本記事の内容は、原則、記事執筆日(2023年2月21日)時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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